ヘルメットの基本情報と選び方
当店で取り扱っているヘルメットは、国家検定の規格に則った検定に合格しているヘルメットです。
※ただし、軽作業帽は検定規格外商品です。
頭部を守るためにあるヘルメットの使用環境は多種多様です。
転倒や落下に備えるのか、落下物に備えるのか等、ご使用用途に合わせて適切なヘルメットをお選びください。
ヘルメットの構造
帽体(本体)
頭部を覆い保護する殻部(シェル)。
材質によって特性が異なります。
ご使用用途に適したものをお選びください。

材質 | 性質 | |||
---|---|---|---|---|
耐熱・耐燃性 | 耐候性 | 耐電圧性能 | 耐溶剤薬品性 | |
FRP製 (ポリエステル樹脂をガラス繊維で強化したもの) →耐候性、耐熱性には特に優れるが電気用防止としては使えない |
◎ | ◎ | × | ○~◎ |
ABS製 (アクリロニトリルブタジエン・スチレン) →耐電圧性能には優れるが高熱環境での使用には不向き |
△~○ | △~○ | ○~◎ | ×~△ |
PC製 (ポリカーボネート) →耐候性はABSよりも優れているが溶剤、薬品等には不向き |
○~◎ | ○~◎ | ◎ | ×~△ |
PE製 (ポリエチレン) →有機溶剤系の薬品を使用する環境には最適 |
×~△ | ○ | ○~◎ | ○~◎ |
◎…特に優れている ○…優れている △…やや劣る ×…劣る |
衝撃吸収ライナー(発泡)
帽体とハンモックの間に入っている、帽体に衝撃が加わった際に頭部に伝わる衝撃を緩和するための部品のことです。
「墜落時保護用」の使用区分には必須のパーツです。
ライナーには「発泡ライナー(発泡スチロール製)のもの」と「発泡ライナー同等の衝撃吸収性能を発揮する装備がついたもの」があります。
「発泡ライナー同等の衝撃吸収性能を発揮する装備がついたもの」はヘルメットの内部に空間が広がっているため、通気性がよく、水洗いも可能なので清潔に保てます。
代表例)谷沢製作所「エアライト」、DICプラスチック「エアロメッシュ」等

内装(着装体)
ハンモック、ヘッドバンド、環ひもで構成された部分全体。
頭部を固定させ、衝撃を緩和するために帽体内部に取り付けられた部品のことです。

耳あご紐
ヘルメットと頭部全体を固定し、脱落するのを防止するための部品です。

つば(バイザー)
飛来落下物や前面の障害物から保護してくれる大切なものです。
頭上の障害物が確認出来るようにしたい場合は「透明ひさし」タイプを選ぶと、上方視界を遮りません。
狭い場所での作業には、つばのないタイプもあります。例)148 MP型

通気孔(ベンチレーション)
ヘルメット内に風を通すことにより内部の蒸れを軽減します。
※「通気孔あり」のヘルメットは電気用使用不可です。

シールド
目を守る半面形シールド面と、顔全体を覆う全面シールド面があります。
本体に内蔵されており、自由に出し入れ可能です。

ヘルメットの使用区分
検定区分によって、構造・機能が異なります。作業内容にあった適切なヘルメットをお選びください。
使用区分(種類) | 機能 | 構造 |
---|---|---|
![]() 飛来・落下物用 |
飛来物又は落下物による危険を防止又は軽減するためのもの | 帽体、着装体及びあご紐をもつもの |
![]() 墜落時保護用 |
墜落による危険を防止又は軽減するためのもの | 帽体、着装体、衝撃吸収ライナー |
![]() 飛来・落下物用 墜落時保護用 |
飛来物又は落下物による危険及び墜落による危険を防止又は軽減するためのもの | 帽体、着装体、衝撃吸収ライナー及びあご紐をもつもの |
![]() 飛来・落下物用 電気用※ |
飛来物又は落下物による危険を防止又は軽減し、頭部感電による危険を防止するためのもの | 帽体、着装体及びあごひもをもつもので、帽体が充電部にふれた場合に感電から頭部を保護できるもの |
![]() 飛来・落下物用 墜落時保護用 電気用※ |
飛来物又は落下物による危険及び墜落による危険は軽減し、頭部感電による危険を防止するためのもの | 帽体、着装体、衝撃吸収ライナー及びあごひもをもつもので、帽体が充電部にふれた場合に感電から頭部を保護できるもの |
※使用電圧7,000V以下。 |
ヘルメットの交換の目安
使用期間の長くなったヘルメットは、安全のため、異常が認められなくても交換をおすすめします。
材質 | 交換の目安 |
---|---|
FRP製(熱硬化性樹脂) | 使用期間5年以内 |
ABS、PC、PE製(熱可塑性) | 使用期間3年以内 |
着装体 | 使用期間1年以内 |
20のチェックポイント
ヘルメットは、使い続けていると劣化したり、傷が生じたりします。
毎日の作業を始める前に、次に示す「20のチェックポイント」を点検しましょう。
少しでも異常が認められるものは、そのまま使用することは厳禁で交換等の措置をとる必要があります。
部品類に異常が認められた場合は直ちに交換してください。(修繕をしないでください。)
● 一度でも衝撃を受けたものや、改造されたものは、外観に異常が無くても性能が低下していますので使用しないでください。
● イラストは異常な状態を分り易くするため誇張して表現してあります。